2013年からは、アメリカ・オークランドの老舗アンビエントレーベルConstellation Tatsu(通称しー辰)の名前をもじって、Constellation Botsu(しー没)と名乗り、ドローイングと並行して、独学でノイズミュージックの制作も始めた。同年11月に、音楽配信・販売プラットフォームで発表したデジタルアルバムが日本や海外の音楽ブログで話題となり、国内外のレーベルからカセットやCDをリリースするようになった。
「初めて人前でライブをしたのは、2014年12月の東京でした。そのときすでに、ティッシュペーパーを使っていましたね」。
2018年10月、旧歌舞伎町ブックセンタービルで開催されたChim↑Pom(当時)による「にんげんレストラン」内のイベントで、僕はC孛のパフォーマンスを目にしている。彼は箱の中から取り出したティッシュペーパーを食べていた。
「もともとは、家で引きこもっていた頃の癖なんです。当時は、ストレスが溜まるとティッシュをガム感覚で食べていました。初めてのライブのとき、あまりにも緊張するから落ち着かせるためにティッシュを食べたんです。そこからは、ライブのパフォーマンスとして使い始めましたね」。

強迫性障害と躁鬱の症状があり、精神障害者手帳3級を保持していることを打ち明けてくれた。何度もドアノブを回したり、冷蔵庫のドアを開閉したりと、執拗なまでの確認行為が1人でいるときにはよく出てしまうのだという。水道のバルブをきつく締めすぎて、同居人を困らせてしまうことも多いのだとか。
「無心で描いています。紙の上をペンがスケートしていくような心地よさを感じていますね。だから、絵を描いているときは、不思議と強迫的な感情は湧き上がってこないんですよね」。