今週末に見たい展覧会ベスト20。二条城のアンゼルム・キーファーからモネの巡回展、大カプコン展まで【4/5ページ】

「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」(渋谷区立松濤美術館

安藤照 兎 制作年不詳 鹿児島市立美術館蔵

 東京・渋谷の渋谷区立松濤美術館で「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」が開催される。会期は6月21日~8月17日。

 安藤照は渋谷駅前のモニュメント《忠犬ハチ公像》(初代)の作者として知られる。1917年に東京美術学校に入学し、在学中の1921年に帝国美術院展覧会(帝展)で彫刻家としてデビュー。その後数々の賞を受賞し、1934年には《忠犬ハチ公像》、1937年には《西郷隆盛像》(鹿見島県鹿児島市)といった現在も語り継がれるモニュメントを制作し、彫刻家としての地位を築いた。

 没後80年を記念した本展は、《忠犬ハチ公像》を誰もが知るかたわら、これまで語られる機会の少なかった安藤照の生涯について、戦火をのがれた現存作品約30点やその関連作品から、網羅的に紐解く展覧会となる。

会期:2025年6月21日~8月17日
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤 2-14-14
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、7月22日、8月12日(ただし、7月21日、8月11日は開館)
料金:一般1000円 / 大学生800円 / 高校生・60歳以上 500円 / 小中学生 100円

「創造的な出会いのためのテーマ別展示」(UESHIMA MUSEUM

ジェームズ・タレル作品

 東京・渋谷の渋谷教育学園内にあるUESHIMA MUSEUMで、コレクション展「創造的な出会いのためのテーマ別展示」が6月21日より開催される。

 UESHIMA MUSEUMは、オーナーである起業家・投資家の植島幹九郎の母校・渋谷教育学園の敷地内に位置する。「同時代性」をテーマに国内外の幅広いアーティストの現代美術作品をコレクション。700点を超える作品のなかから、テーマに沿って選んだ作品を展示している。

 「創造的な出会いのためのテーマ別展示」は第2回コレクション展となる。長谷川祐子のキュレーションにより、展示内容を刷新。各階ごとにテーマを設定し、展示の流れをつくることで、作品同士のつながりが、見る人の想像力を刺激し、自由な解釈ができるように構成される。

会期:2025年6月21日〜
会場:UESHIMA MUSEUM
住所:東京都渋谷区渋谷1-21-18 渋谷教育学園植島タワー
開館時間:11:00〜17:00 ※入場は閉場の1時間前まで
休館日:月(祝日は開館、翌平日休館)
料金:一般 1800円 / 高校・中学生 500円 / 小学生以下 無料

「Home Away from Home」(ポーラ ミュージアム アネックス

José Parlá Pedestrian Ensemble 2011 72.0 x 144.0 inch (182.9 x 354.8 cm) diptych Acrylic, ink, collage and plaster on canvas

 東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスで、ニューヨークを拠点に国際的に活躍するアーティスト ホセ・パルラの個展「Home Away from Home」が開催される。会期は6月20日〜7月27日。

 KOTARO NUKAGA ROPPONGIと同時開催される本展は、タイトルを「Home Away from Home」とし、ひとつに限定される「ホーム」ではなく、記憶、移動、人とのつながりによって形成され、つねに変化し続ける風景という視点からパルラの作品をそれぞれ展示。ポーラ ミュージアム アネックスでは、窯元で滞在し制作された備前焼の作品や、日本のアーティストやファッションデザイナーとのコラボレーション作品などもあわせて展示することで、パルラの包括的な活動とルーツをたどるとともに、東京をテーマとしたラージスケールの新作1点を含む合計18点の作品が紹介される。

会期:2025年6月20日〜7月27日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)  
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
休廊日:会期中無休 
料金:無料

同時開催
José Parlá『Home Away from Home』

会期:2025年6月20日〜8月9日
会場:KOTARO NUKAGA ROPPONGI
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2階
開館時間:11:00〜18:00
休廊日:日月祝
料金:無料

布施琳太郎「人工呼吸、あるいは自画像の自画像」(SNOW Contemporary

布施琳太郎 制作中のドローイング 2025

 東京・六本木のSNOW Contemporaryで、布施琳太郎による個展「人工呼吸、あるいは自画像の自画像」が開催される。

 今回「久しぶりに引きこもって制作した」と語る布施は、「自画像」をテーマとした100枚近いドローイングの制作によって、新たな身体論の創出に向きあった。制作のなかで布施が参照したのは、人工知能の記号接地問題、当事者と非当事者の身体、解剖学者の語る「骨と筋肉」の関係、心肺蘇生訓練用の人形「レサシアン」、ロボット工学博士の「不気味の谷」、そしてゲームやアバターなどである。これらのリサーチによって変化していくセルフイメージの現在地を、自室で描き留めることで生み出されたドローイング群をデータベースとして、着想された新作パフォーマンスや平面作品も本展では発表される。

会期:2025年6月20日〜8月2日
会場:SNOW Contemporary
住所:東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
電話番号:03-6427-2511
開館時間:13:00〜19:00 
休館日:日月火祝 
料金:無料

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