2つ目のプログラムは、大阪在住の美術家・森村泰昌がプロデュースした伝説的なアートプロジェクト「テクノテラピー」のドキュメンタリー映像の特別上映だ。美術家と展覧会制作、舞台演出、会場運営などの専門家集団、そして多くのボランティアスタッフが結集し、本会場でもある大阪市中央公会堂の全館を活用してつくり上げた本プロジェクト。賛否両論を呼びながらも、当時の大阪の芸術文化のエネルギーを象徴する試みだったといえる。

Expandedセクションは近代化産業遺産である北加賀屋・クリエイティブセンター大阪(名村造船所大阪工場跡地 / 近代化産業遺産)で開催。19組の国内外作家が出展し、メディアの垣根を越えた作品群が展示販売される。

今年の会場となるのは、1階の「ブラックチェンバー」と4階の「ドラフティングルーム(製図室)」、屋外の「赤鉄骨」、そしてライブスペース「スタジオパルティッタ」。「ブラックチェンバー」では、世界的に著名な前衛芸術家であるオノ・ヨーコ(小山登美夫ギャラリー)が1960年代から取り組んできた《Fly》 を展示。これは作家からのメッセージを持ち帰ることができる観客参加型のインスタレーションだ。
