「ART OSAKA 2025」開幕レポート。本フェアならではの多彩な表現を一挙に味わう【7/9ページ】

 東京・馬喰町のKOKI ARTSは、中村亮一の作品を出展。活動拠点としていたドイツ・ベルリンで受けた偏見から、移民と社会の隔たりについて考えてきたアーティストだ。約10年にわたりつくり続けている作品《a study of identity》(2015-25)は、第二次世界大戦中の日系アメリカ人のポートレートを金属板に転写し並べた作品。壁面から浮いているかのように展示される人々の顔は、移民の置かれる不安定な状態が表現されている。

展示風景より、中村亮一《a study of identity》(2015-25)

 6月15日、渋谷から新宿に移転オープンするbiscuit galleryと、同ギャラリーに隣接するかたちでオープンするAWASE galleryは本フェアに共同出展。出展作品の那須佐和子+下田悠太《構造の詩学》(2025)は、那須の絵画と下田の建築構造物を組み合わせた作品で、双方の領域の拡張が目指されている。

展示風景より、那須佐和子+下田悠太《構造の詩学》(2025)

 京都のFINCH ARTSは福岡道雄(1936〜2023)の初期代表作《ピンクバルーン》(1968)を出展している。本作は、彫刻の持つ硬質さや男性性からの脱却を目指した作品で、風船のようなやわらかなフォルムと、軽量なFRP素材で制作されている。ほかにも《馬鈴薯》(2003)、《立つ蚯蚓》(2004)といった福岡の大型彫刻も展示されている。

展示風景より、福岡道雄《ピンクバルーン》(1968)

編集部

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