第3室「移動の時代」(企画=室井萌々)は、陸、空、そして宇宙へと人類の活動範囲が劇的に広がっていった「移動の時代」に焦点を当てる。
本章でとくに焦点が当てられているのは移民だ。写っているのは19世紀、アメリカ西部でのヨーロッパ人による開拓移民と、それによって奪われたネイティヴ・アメリカン。あるいはナチス・ドイツから逃れるために亡命をするユダヤ人。米兵と結婚した戦後の日本人女性たち。軍事境界線によって線が引かれた南北朝鮮の兵士たち。これらの人々が抱えていたものが、現在の世界を覆っている問題とつながっていることは言うまでもない。

