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「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」(東京都写真美術館)開幕レポート。コレクションから改めて学ぶ写真表現史【5/5ページ】

 第4室「 写真からきこえる音」(企画=山﨑香穂)は、「音」を意識させる作品を展示している。写真は、人々の生活や行動を被写体とするだけでなく、そこに存在する生活音をも記録する。畠山直哉の写した団地の照明、植田正治による土地に生きる人々の音の暗喩のような写真、宮本隆司が撮る人々の生活音があった場所としての廃墟などは、いずれも写真でしか感じられない音を宿している。

展示風景より、畠山直哉《#2602》《#1928》(ともに2005)
展示風景より、植田正治作品
展示風景より、左が岡上淑子作品、右が宮本隆司作品

 最後となる第5室「うつろい/昭和から平成へ」(企画=石田哲朗)は、95年の本館開館時に開催された展覧会「写真都市東京」の持っていた空気を、当時の出展写真を展示することで再現した。同展のテーマは「東京という街を80年代以降の写真家たちがどのように表現したか」というものだったという。長野重一、塩田登久子、瀬戸正人、荒木経惟らの写した当時の「いま」の東京が、現代においてはノスタルジーの対象として意味が変化していることは興味深い。

展示風景より、長野重一「遠い視線」シリーズより《品川区上大崎》(1987)
展示風景より、田村彰英作品

 ほかにも本展では、マン・レイ、アウグスト・ザンダー、赤瀬川原平、高梨豊、林忠彦、杉本博司、オノデラユキ、長島有里枝など、写真史を学ぶうえで知っておくべき作家の作品が展示されている。30周年の節目に、改めて写真とう芸術表現の基本を学ぶことができる展覧会がはじまった。

展示風景より、杉本博司作品
展示風景より、赤瀬川原平「版画集 トマソン黙示録」より《No.3 通り抜けた家 東京都渋谷区南平台1981.11》(1988)

編集部

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