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大阪に100を超えるパブリック・アートを。本格実施第1弾で川俣正の《千鳥橋ライトポスト》が登場。【3/5ページ】

芸術が身近にあることの重要さ

 「konohana permanentale 100+」スタートにあたり、外部の有識者からの意見が必要であり、また、設置後の作品管理や保全の観点からも専門家の存在は欠かせない。そこでディレクター会議が設置され、メンバーに加わったひとりが兵庫県の芦屋市立美術博物館の大槻晃実学芸員だ。「人間が人間として豊かに暮らし生きていくために、文化や芸術が身近にあることはとても大切です。市民の生活に深く関わっている此花区役所という行政機関が地域の未来を文化や芸術を通して考え、このプロジェクトを進めていくと決めたことは重要な意味をもつと感じました」と、プロジェクトへの参加を依頼されたときの感想を話す。

芦屋市立美術博物館企画課の大槻晃実学芸員

 「今日は阪神なんば線の千鳥橋駅からここに来たのですが、ホームからすぐに川俣さんの作品が見えて、もともとここにあったのではないかと思えるぐらい自然に存在する様子がすごく素敵だと思いました。都市のなかには、建物にしても標識やガードレールなどにしても、基本的に垂直か水平のものがほとんどです。そういうなかで街灯が斜めに迫り出していて、何本もが別々の方向を向いている様子にはすごく目が惹かれます」。

千鳥橋駅のホームから見た《千鳥橋ライトポスト》

 大槻が話すように、駅のホームからすぐ目に入ってくる《千鳥橋ライトポスト》は、日々駅を利用する人の意識にそのイメージが刷り込まれ、人々が土地のイメージを共有するシンボルともなる。パブリック・アートが地域に根付くひとつのあり方だと言えるだろう。

 「地元の人であれば作品を見て家に帰ってきた感覚になるでしょうし、遠くから来た人にとっては、街の思い出の象徴にもなるはずです。川俣さんの作品はさらに、人間だけではなくて鳥の止まり木にもなりそうですし、鳥たちが喜ぶ景色が生まれたら素晴らしいと思います」。

編集部

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