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特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(東京国立博物館)開幕レポート【3/5ページ】

狂歌隆盛──蔦唐丸、文化人たちとの交流

 第2章は、狂歌(和歌をもとにした歌であり、故事・成語を遊んだものや既存の作品のパロディに仕立てたもの)が爆発的な人気を博す天明期(1781~89)における蔦重の活動を紹介するもの。蔦重は、様々な階層の人が集まり江戸を謳歌する狂歌を詠む時代において、狂歌師「蔦唐丸」として参入した。

 狂歌本に絵を加え、豪華な「狂歌絵本」を一手に刊行するプロデューサーとしての商才を発揮した蔦重。その狂歌絵本は多色摺で、雲母摺や空摺などの技法も備えたものだ。

第2章展示風景より
展示風景より、宿屋飯盛撰・喜多川歌麿画《画本虫撰》(1788)
展示風景より、朱楽菅江撰・喜多川歌麿画《潮干のつと》(1789)

 このセクションには見事な狂歌絵本の数々が並ぶが、なかでも《歌まくら》(1788)は喜多川歌麿の写実手的な表現の真髄を見ることができる。

 本作は、蔦重が企画出版したとされる春画本の1作。12枚の横大判の錦絵で様々なシチュエーションで、男女の細やかな機微が描き出されるなか、本作は茶屋の二階で忍ぶ恋を描いたもの。女性は後ろ姿で表情がわからないものの、女の髪の下からちらりとのぞく男の目は、この恋が醒めていることを伝える。

展示風景より、喜多川歌麿《歌まくら》(1788)

編集部

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