「浮世絵現代」(東京国立博物館)開幕レポート【4/5ページ】

現代の絵師たち

 本展でもっとも大きなスペースが割かれているのが、第4章「現代の絵師たち」だ。ここでは、2010年代以降、主に「現代の浮世絵・国際創造プロジェクト」に招聘された世界中のアーティストたちの「現代の浮世絵」を紹介。この企画はアダチ伝統木版画技術保存財団の事業の一環として、彫師・摺師がアーティストとともに新作の木版画を制作することで、今に生きる技術を次代へ継承していくものだ。

展示風景より

 ここに並ぶのは、ロッカクアヤコ田名網敬一、N・S・ハルシャ、加藤泉山口晃草間彌生李禹煥横尾忠則アントニー・ゴームリーイケムラレイコ塩田千春名和晃平など、国内外の著名作家たち。

 加藤泉は、2020年制作の2点でパステル画のタッチを木版で表現することを試みた。また23年の作品では、ヴィンテージプラモデルのパッケージの鳥のモチーフをコラージュしたドローイングが原画となっている。

展示風景より、加藤泉《無題1》《無題2》(ともに2020)

 森美術館で個展を開催したこともあるN・S・ハルシャは、神の使いである猿を描いた三枚続の作品を制作。同じ版木だが、色調を変えることで時間の移ろいが見事に表現されている。これは新版画に見られる手法の応用だ。

展示風景より、N・S・ハルシャ《恥ずかしがりの猿 黄昏・鶏鳴・日出》(2017)

編集部

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