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「宇宙からの音響」(草間彌生美術館)開幕レポート。病と闘い、向き合うことで生まれた作品を見る【3/5ページ】

 3階展示室の壁面では、21世紀の草間の画業を代表する「わが永遠の魂」シリーズおよび、その後に制作が始まり、現在も続く最新の絵画シリーズ「毎日愛について祈っている」などを展示している。

 草間の現在が示されているともいえるこれらの作品は、宇宙のイメージと結びついてもいる。トラウマと対峙し、病と闘いつづけてきた草間が辿りついた、ひとつの生態系を成しているともいえる絵画群。なかにはマーカーペンでメッセージが書かれた作品もあり、苦難のなかでも絵を描く草間の筆跡が、祈りのように鑑賞者にも響いてくる。

展示風景より、3階ギャラリー  (C) YAYOI KUSAMA

 同階の壁面を覆うのは白地にピンクのドットを散りばめた、複数のキャンバスからなる巨大な絵画作品《ピンク・ドッツー星の墓場で眠りたい》(1993-94)だ。鮮やかなピンクのドットの反復を近くで見ていると、めまいにも似た感覚をおぼえる本作だが、これは草間が言うところの「自己消滅」を体現した作品ともいえる。自身の内面のみならず、周囲をも巻き込みながら消滅せんとする、圧倒的な自我に気圧されるだろう。

展示風景より、《ピンク・ドッツー星の墓場で眠りたい》(1993-94)  (C) YAYOI KUSAMA

編集部

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