「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(東京都現代美術館)開幕レポート。「転回」の先に見えたその造形の到達点【2/7ページ】

 タイトルにある「而今而後」とは孔子の論語からとられたもの。「いまから後、その先も」という意味だ。岡﨑は2021年、脳梗塞で倒れ、リハビリを経験した。その後遺症で右半身が麻痺しているが、これは造形作家としての大きな「転回」にもなったという。「而今而後」と名打たれた本展は、この「転回」前の作品を広く見通しつつ、「転回」後である2022年以降に制作された新作を展覧するものだ。

展示風景より

  会場の最初に展示されている「あかさかみつけ」シリーズは、岡﨑の初期の代表作だ。プラスチック製の素材に切り込みを入れたり、折り曲げたりしたうえで着色をした本作は《あかさかみつけ》《おかちまち》《そとかんだ》といった地名を想起させる平仮名のタイトルがつけられている。しかし、作品の造形と、平仮名で記された実在の地名との関連性は単純に考えると見出せない。だが、例えば鑑賞者一人ひとりの経験に即して見れば、その造形に「赤坂見附」らしさが何かしら見出されることもあるだろう。

展示風景より、《そとかんだ》(1981)

編集部

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