そして、何よりも注目したいのは巨大な塑像の作品群だ。まるで巨大な人間がひねったかのようなダイナミックな造形と、セラミックの白だからこそ際立つ陰影、そして表面の様々な部分に現出している複雑なテクスチャは、見るものを飽きさせず無限の発見の可能性を提示してくれている。


ほかにも本展では、テキスタイルやタイルを素材とした作品のほか、岡﨑が参加した90年代初頭に広島で誕生した環境文化圏運動「灰塚アースワーク」や、岡﨑がディレクターを務めた近畿大学国際人文科学研究所に所属するサテライト校「四谷アート・ステュディウム」、霧の彫刻で知られる中谷芙二子とともに構想した「雪と霧の公園」計画など、その多岐にわたる活動が紹介されている。


テキストや写真では伝えきれない、迫力と精細さが同居する展覧会。岡﨑がいかに造形と向き合い思索を重ねてきたか、そして近年の「転回」を経てどれほどの境地に至ったのか。会場でぜひ立ち向かってみてほしい展覧会だ。
