「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(東京都現代美術館)開幕レポート。「転回」の先に見えたその造形の到達点【4/7ページ】

 岡﨑がアクリル絵具による絵画に本格的に取り組み始めたのは1992年のことだ。以来、キャンバス上に断片的に絵具を載せ、それぞれの色やその濃淡によって生み出される立体感を感じさせる作品群を制作し続けている。

展示風景より

 絵画のタイトルは先にも紹介したとおり、長く、物語を想起させる独特のものだ。色同士の関係性、濃淡が生み出す造形性、そしてタイトルから想起される様々な物語。それらが複雑な緊張関係をもって、絵画を成立させているように感じられる。会場では長きにわたり制作されてきた岡﨑の絵画が次々に現れ、鑑賞者はそれぞれと向きあい、複雑な視線をそれぞれの作品に注いでいくことになるはずだ。

展示風景より、左が《軽くパーマしてください、わたしがそう言うと、なんてびっくりするような早さに手さばき。わたしはまるで猫の子みたいでした。でも油はつけないでね。》(1994)

編集部

Exhibition Ranking

見附正康

2025.05.23 - 07.05
ARTRO
京都

木梨銀士「Flux」

2023.02.02 - 02.17
GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE
丸の内 - 銀座|東京

非常の常

2025.06.27 - 10.04
国立国際美術館
大阪

Dressing Up: Pushpamala N

2025.06.26 - 08.16
シャネル・ネクサス・ホール
丸の内 - 銀座|東京