「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2025」(国立新美術館)開幕レポート。「デザインの宝」は今年で27つに【3/4ページ】

 プロダクトデザイナー・深澤直人は、島根県の景観をかたちづくる「石州瓦」に着目。三州瓦(愛知)や淡路瓦(兵庫)に並ぶ三大瓦として知られるこの瓦の製法や独自の色合い、そしてこの瓦が生み出す歴史的な景観について調査しつつも、それを通じて大量生産・画一化が進む現代の日本に警鐘を鳴らす。

展示風景より、深澤直人「石州瓦」瓦が生み出す町の〈雰囲気〉(島根県大田)
展示風景より、深澤直人「石州瓦」瓦が生み出す町の〈雰囲気〉(島根県大田)

 ファッションブランド「イッセイミヤケ」のデザイナー・宮前義之は、高知県で江戸時代から300年余り続くという「街路市」を訪ねた。生前の三宅一生とのやりとりから、デザインの仕事で大切なのは「コミュニケーション」と「熱量を持って届ける」ことであると教訓を得ていた宮前は、その視点を携えながらこの市場に足を運んだという。宮前は取材時のことを振り返り、次のように語る。

 「街路市を訪ねたとき、目に見えるかたちではないが、会話や雰囲気がそこにはあり、一生さんから教わったデザインにとって大切なことが存在していると感じた。これらを展示にするのは難しかったが、本展を通じてぜひ現地に足を運んでほしい」。

展示風景より、宮前義之「街路市」市 300年続くコミュニケーションのデザイン(高知県高知)
展示風景より、宮前義之「街路市」市 300年続くコミュニケーションのデザイン(高知県高知)

編集部

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