ミナミエリア(心斎橋、難波、道頓堀など)
ミナミエリアにある髙島屋大阪店では、1〜7階の各フロアに作品が展示されており、会期中に約50個のプログラムが展開される。
「CAPS2025」と題された展示では、「京都芸術大学大学院芸術専攻芸術実践領域」に関わりつつ、アーティストとして活躍する教員や修了生、在学生の作品を見ることができる。7階で開催された、名和晃平とブルノ・ボテラによる「ドリンクアンドドロー」というイベントは、美大生が学内で行うクロッキーを百貨店の中で実施するということを実現させた。20分間描き、その後同じ題材を描いた人同士でドリンクを飲みながら歓談する。モデルはコンテンポラリーダンサーが行い、改めて身体に注目する機会の創出も狙いのひとつ。名和曰く、「クロッキーには本来正解がないもの。描き方をアドバイスすることはできるが、思い思いに描くのも醍醐味」。そんな名和と、鬼頭健吾の作品は同館1階にも展示されている。

4階のローズパティオでは、京都美術工芸大学の特任教授で「ニッポン画家」でもある山本太郎が、「Re: Classic 古くて新しい暮らしの提案」を展開。今年2月に行われた卒業制作展のなかから学生の作品を選び、自身の作品と一緒に展示した。

本企画では、競技ダンスのプロダンサーとしての経歴をもつアーティスト高遠まきの作品を、昨年に引き続き見ることができる。なかでも南海なんば駅には、こわいものをあえてポップに表された巨大なYOKAIが登場する。その中でも今回は、差別のない世界や慈愛の象徴である「法界定印」を結んだ、奈良の三松禅寺副住職の手をモデルにした新作も登場。作品とのインタラクティブな関わりを大事にする高遠の作品は、触わることも可能だ(6月11日以降は、6階ローズパティオに移動される予定)。
