「Osaka Art & Design 2025」(大阪市内)開幕レポート。大阪・関西万博にあわせて過去最大規模で実施【9/9ページ】

 続いて、吉本興業がプロデュースしているアートギャラリーLaugh & Peace Art Galleryでは、神戸出身のアーティストalanの個展「Re: Re: 」が開催中。既存の芸術作品やキャラクターなどの大衆文化を使用し、2つ以上の素材を1つのキャンバスにアプロプリエーション(流用)する[Under50%+point]シリーズが代表作となる。素材の何パーセント以上/未満がオリジナルと模倣のボーダーラインになるのか、など長年論点となってきた「オリジナル」存在についての問いを投げかける。アート領域にもAIの影響が大きくなるなか、改めてオリジナル/コピーの差異や、それに付随して展開される著作権問題についていま一度考える機会となるだろう。

alan《That's why the lady is tramp》

 そして大丸心斎橋の8階では、ポーランドで活躍中のファッションデザイナー兼アーティストの、ヨアンナ・ハヴロットによる「ウェアラブルアートー見えざる系」が展示中。十二単にインスパイアされた作品を展開し、作品を通じて女性の内面を表すことを意図している。期間内に館内14ヶ所でハヴロットの作品が展開されていく。

展示風景より

 8階のArtglorieux GALLERY OF OSAKAでは、「ダイアナ妃が愛した画家 ロバート・ハインデル展」を開催中。バレエダンサーの一瞬を捉える作品で有名なロバート・ハインデルは、もともとイラストレーターから画家に転身した経歴を持つ。現代のドガと称されたハインデルの没後20年を記念した展示となっている。

展示風景より

 昨年からさらにエリアを拡大させた「Osaka art & design」。大阪・関西万博での盛り上がりも後押しとなり、大阪というエリアがアートとデザインの発信拠点としてさらに勢いを増していくことが感じられる。6月に入ってから開始する企画もあるため、約1か月の会期内ですべて見回ることは難しいかもしれないが、街を周遊しつつ、その熱気を体感してほしい。

編集部

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