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「最後の浮世絵師」鰭崎英朋とは何者だったのか? 新発見の肉筆画も公開

明治後期から昭和にかけて活躍した絵師・鰭崎英朋(1880~1968)。その個展が東京・神宮前の太田記念美術館で始まった。会期は7月21日まで。

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

展示風景より、手前は柳川春葉『誓』後編の口絵(1917)

 明治後期から昭和にかけて活躍し、「最後の浮世絵師」と称される絵師・鰭崎英朋(ひれざき・えいほう、1880~1968)。その個展が東京・神宮前の太田記念美術館で始まった。会期は7月21日まで。担当学芸員は同館主席学芸員の日野原健司。

展示風景より

 英朋は1897年(17歳)に浮世絵師・月岡芳年の門人である右田年英に入門。1902年(22歳)に尾崎紅葉の推薦により、春陽堂の編集局に入社。春陽堂から刊行された文芸雑誌の挿絵や口絵、あるいは小説の単行本の口絵を手がけ、泉鏡花や柳川春葉たちの物語の世界を華やかに彩った。しかしながらその画業は広く語られてこなかった。なぜなのか? 日野原はその理由として、「近代美術史は美術館の展覧会に出品し評価した作家が名を残してきた。英朋の活動の中心は雑誌の口絵や挿絵であり、大衆向けのメディアがメインだったからだ」と語っている。

 浮世絵版画が大衆の暮らしとともにあった最後の時代に英朋がどのような活躍をしたのか。本展は前後期(全点展示替え)計187点の作品によって、この「知られざる絵師」にスポットを当てるものだ。

編集部

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