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「最後の浮世絵師」鰭崎英朋とは何者だったのか? 新発見の肉筆画も公開【2/3ページ】

 会場1階には、1903年から1912~26年にかけて刊行された、小説の単行本を中心とする英朋の代表的な木版画が並ぶ。とくに英朋は泉鏡花との関わりが深く、『続風流線』の口絵は水中の人物を描いた絶妙な色使いが見どころ。下絵とともに注目だ。

展示風景より、泉鏡花『続風流線』口絵(1905)とその下絵

 また発行部数が2万部とも3万部とも言われる雑誌『文芸倶楽部』の口絵は同じ号のものであっても微妙な差異が認められる。これは、複数の版木を用意して制作していた証拠であり、いかに口絵を大量生産していたかを伝える。

雑誌『文芸倶楽部』(第19巻 第11号)の口絵と下絵、校正摺

 木版画の口絵と同時に、石版画の口絵も多く手がけた英朋。今回の展示では、英朋の全貌を明らかにするため、2章において石版画が紹介されている。

 石版は木版に比べると色彩がやや沈むが、技術が進むにつれてそれも改善されていった。英朋は『新世界』や『娯楽雑誌』などの雑誌の口絵を通して、石版画の魅力を大衆に広く伝えたひとり。この章では、1903年から1912~26年にかけて刊行された文芸雑誌の口絵や表紙を中心に、コロタイプ印刷や三色版、オフセット印刷など、現代につながる印刷技術の歴史を楽しみたい。

展示風景より、手前は前田曙山「水の流れ」『新小説』第7年第12巻 口絵(1902)
展示風景より、泉鏡花『愛花』口絵(1906)
展示風景より、「はつ空」『新小説』第17年第1巻 口絵(1912)

編集部

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