5階「物質と感情のエンタングルメント」
5階は「物質と感情のエンタングルメント」。愛と欲望、リビドーと記憶、それらをめぐる複雑な情動が、物質とイメージの絡まり(エンタングルメント)として表現される。中心となるジャン=ミシェル・オトニエルによる赤いガラス作品《Oracle》(2022)が官能的な輝きを放つ。またその色彩と呼応するようにマーク・クインの絵画と立体が展示。
いっぽうの小部屋では、水戸部七絵によるオノ・ヨーコとジョン・レノンの愛の肖像やニコラ・ビュフの大作《ポーリア(カルトゥーシュ)》(2014-16)などが並び、一義的ではない「愛」のかたちを提示している。


個人コレクションのキュレーションは今回が初めてだという長谷川は、本展をこう振り返っている。「植島氏のコレクションは、定められたルートというよりいまに生きる感性が生かされている。それを一度レビューする機会が重要だと感じた。6階層のフロアごとにテーマを設定し、どういう文脈で作品を見せるかを整理した。若い作家を支援したいという植島氏の考えを反映したものになっている」。