「作り方を作る」とは?
CMは「音からつくる」
展覧会は大きく2つのセクションで分けることができ、前半では主に電通のプランナーとして広告を制作していた時期のプロジェクトが紹介されている。


第0章と称した空間には、グラフィックデザインの手法を用いて制作活動をスタートさせた佐藤によるポスターやDM、雑誌エディトリアルなどが並ぶ。美術には無関心であったという佐藤が、なぜ「つくる」ことに目覚めたのか。ここでは、そのきっかけが自身の蒐集していた料金表や座席表などの「印字情報」にあったことが語られているとともに、それに対し「なぜ惹かれたのか?」という自問自答を繰り返しながら、自身のアウトプットにつなげられたことがわかるだろう。この表現の仕方を「基本ルール」と定めた佐藤は、ものづくりにおける「方法論」の重要性に気づいていくこととなる。

その後の第1章「ルールの確立」では、佐藤が定めた「方法論」と、それをもとに制作されてきた数々のプロジェクトを紹介している。例えば、電通のCMプランナー時代、佐藤は「音からつくる」という方法論を定め、数多くのCMを手がけた。シアター1では選抜された約70本ものCMを上映するとともに、隣接するシアター2では、その「方法論」について解説。どのようにしてそれらがつくられてきたのかを自身の言葉で紐解いている。
