東京都庭園美術館で「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」が開催。アール・デコ100年を記念【3/6ページ】

 会場は全4章構成。第1章「Emergence of an Art Deco Aesthetic アール・デコの萌芽」では、アール・デコ博覧会グランプリ受賞作品を含む、アール・デコ期に制作されたハイジュエリーの数々を紹介。

 本章では、メゾンがアール・デコ期に抱いていたビジョンを読み解く重要な鍵となる《絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット》(1924)や《ローズ ブローチ》(1925)を展示。これらの作品には、つぼみや葉、棘といった植物の持つ要素が巧みに組み込まれており、自然のモチーフを幾何学的に様式化する、アール・デコの美学が体現されているといえる。

絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット 1924 プラチナ、エメラルド、ルビー、オニキス、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション ©Van Cleef & Arpels

 また、東洋のイメージに着想を得た、色彩豊かな宝石があしらわれた《ロングネックレス》は、幾何学模様と生け花を想起させるモチーフが調和し、東洋の精神性とアール・デコの様式美が融合した作品といえる。

ロングネックレス 1924 プラチナ、エメラルド、ルビー、サファイア、オニキス、エナメル、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション ©Van Cleef & Arpels

編集部

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見附正康

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