会場は全4章構成。第1章「Emergence of an Art Deco Aesthetic アール・デコの萌芽」では、アール・デコ博覧会グランプリ受賞作品を含む、アール・デコ期に制作されたハイジュエリーの数々を紹介。
本章では、メゾンがアール・デコ期に抱いていたビジョンを読み解く重要な鍵となる《絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット》(1924)や《ローズ ブローチ》(1925)を展示。これらの作品には、つぼみや葉、棘といった植物の持つ要素が巧みに組み込まれており、自然のモチーフを幾何学的に様式化する、アール・デコの美学が体現されているといえる。

また、東洋のイメージに着想を得た、色彩豊かな宝石があしらわれた《ロングネックレス》は、幾何学模様と生け花を想起させるモチーフが調和し、東洋の精神性とアール・デコの様式美が融合した作品といえる。
