第3章「Modernism and Functionality モダニズムと機能性」では、社会の変化に応じてヴァン クリーフ&アーぺルが制作した抽象的かつ幾何学的造形と機能性を備えた、モダニズムの魅力を伝える多様な作品を紹介する。
鏡をはじめ、女性が外出時に必要となる、口紅、パウダーコンパクト、ライター、ノートなどを収めるケース「ミノディエール」(1938)。洗練されたデザインと高い機能性を追求したミノディエールは、ヴァンクリーフ&アーペルを象徴する作品のひとつだ。

「南京錠」を意味する「カデナ」をかたどったリストウォッチは、1935年に誕生して以来、メゾンを代表するコレクションとして人気を博してきた。、一見ブレスレットのようにも見えるデザインは、女性が公の場で時刻を確認するべきではないと考えられていた時代、さりげなく時刻を確認することができる工夫の現れでもある。
