Galleries セクション
各ギャラリーが個々にブースを出展する「Galleries セクション」は、国指定重要文化財である大阪市中央公会堂の3階で開催されており、日本国内のみならず、韓国や台湾からの参加も含む総勢44軒のギャラリーが一堂に会して展示販売を行う。会場で気になった作品を紹介したい。

東京の√K Contemporaryは、体は人間、頭はモンスターという異様でどこか懐かしみのある「キャラクター」たちが日常を送る光景を描く市川友章をピックアップ。2011年の東日本大震災を目の当たりにし、自分が特撮映画の世界のなかに投げ出されたような感覚になったという市川。絵画に漂う現代社会への疑義はどこか石田徹也の作品を彷彿とさせるが、市川も石田と同じロスジェネ世代だという。ある世代が共有している社会への問いの表出として見てもおもしろい。

韓国・仁川のGALLERY JINSUNは、西洋絵画の技法と東洋画の構図を組み合わせた風景画を制作するキム・チュンジェの作品を紹介している。2021年に始まったという「Tiny wood」シリーズは、まるで周辺光量が落ちた写真のような黒が目立つ絵画シリーズだ。キムは、湖畔の自然という典型的な美しさを持つ風景に闇を与えることで、現代社会のメタファーとして機能させる。
