第2章「素材のすべてを知る」では、ヴィルカラの作品約200点を一堂に並べ、プロダクト・デザイナーとしての仕事を振り返る。
46年、ガラス製造所であり、いまも世界的なガラス食器メーカーとして知られるイッタラのデザインコンペ優勝を機に、ヴィルカラは同社のデザイナーとして約40年にわたるキャリアをスタートさせた。

手がけたプロダクトは多岐にわたり、ガラスや磁器といったテーブルウェアはもちろん、シルバーやステンレスのカトラリー、商品のボトルやパッケージ、機内用の食器や照明器具、アクセサリー、さらに紙幣にいたるまで、あらゆる素材を巧みに操りながら多様なデザインを生み出した。


会場では《カルティオ》と名づけられた、丸、四角、三角を組み合わせたシンプルながらも豊かな造形を持つガラスのグラスや、葉をモチーフにした食器、紙袋を模した磁器の花瓶《ペーパーバッグ》などが並び、その仕事の豊かさに圧倒される。
