第3章「静寂に耳を澄ます」では、60年代以降、フィンランド最北の地・ラップランドの小屋で、静寂と孤独のなかで研ぎ澄まされた感覚を磨いた時代を、小屋の模型や映像、テキスタイルとともに紹介。

第4章「造形の園」は、ヴィルカラが50年代より手がけはじめた、ガラスや木を用いたオブジェを紹介。
少量品やユニークピースにおいてヴァルカラは、伸びやかな造形やダイナミックなスケール感、素材感の表出などを意識した。とくに、木製の板を何層にも重ねて開発した「リズミック・ブライウッド」を用いた大型の作品は、木目と曲面が、奥行きのある表情豊かな造形をつくり出している。


また、ガラス作品も銅板と研磨剤によって研磨して複雑な造形をつくり出す、職人の技が使われている。神話をモチーフにしたとされるこれらの作品は、北極圏の氷を思わせる神秘的かつ有機的な存在感をまとう。

本展においてアイコニックな存在となっている鳥の彫刻も、本章で紹介されている。木材のみならず、ブロンズやアルミといった金属素材でもシリーズを制作しており、可愛らしい形状に素材の質感が引き立つ。
