「Re: Human──新しい人間の条件」(船場エクセルビル)
船場エリアでは、これまで同様、取り壊しが予定されている船場エクセルビルが会場となる。ここでは岸本光大がキュレーターとなる「Re: Human──新しい人間の条件」展にシュウゾウ・アヅチ・ガリバー、金氏徹平、金サジ、吉田桃子、釜ヶ崎芸術大学ら約10組が参加。目まぐるしく変わるの世の中で変化する人間像を提示し、よりよい未来を探るヒントを提示しようとするものだ。
例えばシュウゾウ・アヅチ・ガリバーは、DNAを構成する塩基ーアデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)を示す4文字をモチーフにした「A.T.C.G.」のシリーズを中心に作品を展開。

川田和志は、岡本太郎の作品にインスピレーションを得て、2023年に滋賀県立陶芸の森 陶芸館ギャラリーで制作した壁画《太郎の色とカタチ✕パブリック》(2024)をこのビル内に移動させ、部屋いっぱいに展示。

岡本太郎つながりとして、畑祥雄+江夏正晃+江夏由洋による作品にも注目したい。本作では、AIが未来予測した2070年の「万博の森」の映像をオリジナル楽曲とともに展示。《太陽の塔》ひいては人類の、そう遠くはない未来を想像させる。

金氏は新作・旧作を、「小さなパビリオン」に見立て、SF的なインスタレーションの中に配置した。万博とは無関係ではあるものの、個人的な歴史・時間・流行・観光といったテーマを反映した一つの世界が、小さな空間に展開されている。

?田桃子は、自身の憧憬や欲望、フェティシズムが投影された若者たちの別世界での姿を巨大な平面で見せる。イメージを基にキャラクターの立体模型や背景を制作、動画に収め、そこから抽出した1コマを下絵とする複雑な工程を経て生まれる絵画に注目だ。
