壁から斜め上に向かって伸びる3本の男性の腕。《アヴェ・マリア》(2007)はマウリツィオ・カテランの代表作のひとつだ。ナチス式の敬礼をする3本の腕に、「アヴェ・マリア」という大天使ガブリエルが聖母マリアに呼びかけた言葉を添え、宗教的な主題と政治的な主題をひとつにすることで、挑発的かつ皮肉な態度を示す。
ジャルコ・バシェスキは人間が持つ複雑な感情を強調させるようなサイズで作品を制作。《平凡な男》(2009)というタイトルとは矛盾するように、その圧倒的な巨大さは強いインパクトを与えている。

トニー・マテッリの《ジョシュ》(2010)は重力と時間を無視したような、空中浮遊する青年の姿をハイパーリアリスティックに表現することで、非現実的な姿が現実味を帯びる。
