「すわる」をテーマとした展示では、まずパーフェクトロンによる「学童イスのゆめ」が目を引く。多くの人が使用してきた、小学校で使う学童イスを様々なかたちでアップデート。ベンチ、ビーチチェア、社長が座るようなイスなどに変形した学童イスが、目的や用途によって様々な形態を持つイスの意味を問いかける。

「えらそうなイス」もパーフェクトロンが手がけたものだ。イスが歴史的に持っていた権威性に着目し、赤い絨毯が敷かれた階段を上った先に、豪華なシルエットのイスを設置。権力者の気分を味わえるだけでなく、座るだけではないイスの機能を意識させる。

「もつ」をテーマとした展示では、岡崎智弘の「もちごこち」に注目したい。様々な大きさのオブジェを、示された凹みに合わせて持ち比べることができる。モノや道具の大きさがどのように決められているのか、身体感覚から考えることができる。

また、岡崎智弘+nomaneの「もちはこびトライアル」は、ちくわ、フライパン、ギターといった道具をパイプに当たらないように持ち運ぶゲームだ。金属のガードに接触しないように運ぶことで、持ち運ぶという観点からデザインを考える。

「さがす」をテーマとした荒牧悠の「じっくりしっくり」は、様々なかたちに穴の空いたシートを、たくさんあるピンに合わせながらはめていく展示。うまくピンがはまるように、シートを回転させたり裏返したりする過程で、シートの形状を様々な角度から意識することになる。
