万国博が残したもの
最後の5章では、70年万博開幕前後の世相を伝える資料とともに、《太陽の塔》の70 年当時の地下空間と大屋根の展示を蘇らせる再現映像を展示。これは日本工業大学の歴代の学生たちが7年間にわたり制作・改良を続けてきたVR作品であり、本展では映像(2D)化されたものが展示室で見ることができる。
万博が終わったあと、《太陽の塔》は異例の永久保存となり、いまなおその姿を大阪の地でとどめている。また地下展示のために収集された民族資料は国立民族学博物館の収蔵品の柱となるなど、その影響力はいまなお継続していると言っていい。1970年から55年の時を経て、新たな大阪・関西万博が開かれるなか、本展はあらためて岡本太郎が《太陽の塔》にどのような想いを賭けていたのかを知る好機だ。
