「Osaka Art & Design 2025」(大阪市内)開幕レポート。大阪・関西万博にあわせて過去最大規模で実施【4/9ページ】

  続いて京都・北白川にもビューイングルームを持つアートコートギャラリーでは、東島毅と末松由華利の抽象ペインティングを紹介する「Early Summer Show」が開催中。東島は真っ白の空間のための新作を展示。深いブルーを使った作品が代表的だが、今回はグレーやシルバーのイメージを定着させた作品が並ぶ。「あいまいの美学」をテーマに制作を行う東島は、今回「Infinity sky」というシリーズを、空に向かって泳いでいくイメージで制作。天高約7~8メートルの大きな展示空間に、高さ約4メートル、幅2メートルといった大作が並ぶ。下から上に作品を見上げる行為によって、自然と目線は空を追いかけることになる。

展示風景より

 末松は、生の体験や感情を起点に、色やかたちを滲みやぼかしのタッチで描いていく。水にうすく溶かしたアクリルを何層にも重ねて制作する方法を用いており、なにものにも縛られないスタンスを表現する末松の軽やかさを感じさせる。

展示風景より

 翠波画廊 大阪店では、オランダの作家ハンス・イヌメの展示が行われている。イヌメは1951年生まれで、動物たちを独自の技法で描く作品が特徴的。作品には、ニワトリやブタ、ネズミなどの身近な生き物たちが登場するが、イヌメはそういった同じ地球上の生き物でありながら、誰からも敬意を払われない動物も、等しく価値のある存在であると考え描き出す。可愛らしい印象の生き物たちの奥に込められたメッセージも含め、イヌメの作品はヨーロッパ各国でも人気を集めている。なお同時に同画廊の契約作家のグループ展も開催中だ。

展示風景より

編集部

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