「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」(中村キース・ヘリング美術館)開幕レポート。彫刻作品からみるヘリングの公共性【4/7ページ】

 続いて同じ闇の展示室には、1983年に蛍光塗料を用いて制作されたペインティング《無題》および版画作品《無題》が展示されている。これらは、会期中の土日の13〜14時の間のみ、ブラックライトのもとで特別展示される。同館では約5年ぶりのライトアップ展示となり、へリングが生きた80年代ニューヨークのサイケデリックな空気を想起させる空間で作品を見ることが可能だ。通常ライトとブラックライトでは全く異なる表情を見せる本作。ぜひ時間を狙って行き、見比べてほしい。

展示風景より、《無題》(1983)

 また同じ展示室には、《オルターピース キリストの生涯》(1990)も展示されている。オルターピースとは祭壇画のこと。本作はヘリングがエイズで亡くなる2週間前につくられたものだ。同性愛者であることをカミングアウトしながら、宗教的な作品もつくっていたという事実は、ヘリングのポップなイメージからはあまり想像がつかないが、ヘリングを多角的に知ってほしいという意図から展示されている。

《オルターピース キリストの生涯》(1990)

編集部

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