• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「はじめての古美術鑑賞 ―写経と墨蹟―」(根津美術館)レポー…

「はじめての古美術鑑賞 ―写経と墨蹟―」(根津美術館)レポート。国宝・重文の名品で学ぶ日本の書の楽しみ方【3/5ページ】

墨蹟:書体に見る個性と活用の変遷

 鎌倉時代には武家の台頭と相まって禅宗が隆盛し、禅僧も海を越えた交流が盛んになる。修行僧たちは高僧のもとへ参禅し、参禅修行の証や悟りに達したことを認める印可状として書を揮毫してもらい、大切に伝えてきた。寺院では高僧の説法を記したものや手紙まで墨蹟として尊重されるようになる。師からの証明書にとどまらず、修行を励ます言葉や訃報に接した惜別の情なども含まれる墨蹟は、それぞれの高僧たちの自由で大胆な筆跡にも、その人柄が偲ばれるだろう。

「墨蹟」展示風景より
「墨蹟」展示風景より、《龍巌徳真墨蹟 偈頌》(重要文化財、元時代・至順2年[1331]、根津美術館蔵)。「偈」とは悟りの境地を詠んだ詩を指す。中国の僧・龍巌の遺墨は本作を含めて2件のみという貴重な1点

 中国の僧・月江正印の墨蹟は、77歳と82歳のときのものが比較できる。重ねた年月が書にどんな変化をもたらしているのかを追えるのは興味深い。

「墨蹟」展示風景より、右から 《月江上印墨蹟 送別偈》(元時代・至正3年[1343])、《月江上印墨蹟 道号偈》(元時代・至正8年[1348])(ともに重要文化財、根津美術館蔵)。同じ僧の筆の変化を見比べよう

編集部

Exhibition Ranking

見附正康

2025.05.23 - 07.05
ARTRO
京都

木梨銀士「Flux」

2023.02.02 - 02.17
GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE
丸の内 - 銀座|東京

非常の常

2025.06.27 - 10.04
国立国際美術館
大阪

Dressing Up: Pushpamala N

2025.06.26 - 08.16
シャネル・ネクサス・ホール
丸の内 - 銀座|東京