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「藤田嗣治×国吉康雄:二人のパラレル・キャリア―百年目の再会」(兵庫県立美術館)開幕レポート。藤田が照らし出す国吉の魅力【2/5ページ】

 本展は、戦前にパリとニューヨークというふたつの都市で活躍したふたりの画家の人生を、互いの作品を対置することで、ふたりの作品に対する自覚と視座を通時的、共時的に読み解きながらたどるものだ。

 藤田の研究者でもある林は、本展について次のように語った。「30年来、試みたいと思っていた展覧会だ。藤田の作品によって、国吉の回顧展ではわからなかった魅力が改めてわかるようになった。とくに、国吉のマチエールの創意工夫については、改めて注目すべきものがあるということが明らかになったといえる」。

展示風景より、国吉康雄《化粧》(1927)福武コレクション

 また、本展では、福武コレクションより多くの国吉の作品を借用している。同コレクションのオーナーである福武總一郎は、本展について次のように述べた。「国吉は素晴らしい作家であり、同時代の藤田と展覧ゆ会ができないかと前々から思っていた。現在、国内では藤田のほうがよく知られている画家だた、国吉のアメリカにおける活躍、そして人となりを知ってもらいたいという気持ちはずっと持っていた。今回の展覧会が実現できたことを本当に嬉しく思う」。

福武總一郎

編集部

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