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「黙然たる反骨 安藤照 ―没後・戦後80年 忠犬ハチ公像をつくった彫刻家―」展(渋谷区立松濤美術館)開幕レポート。自身の芸術を淡々と貫いた作家の生き様に迫る【5/6ページ】

 本展の第二会場は、同館の地下1階へと続く。第4章「『塊人社』結成 —アラウンド・安藤照」は、1929年に結成された「塊人社」に焦点が当てられた展示。安藤は第8回帝国美術院展覧会の審査員に任命され一目置かれていたが、翌年の第9回同展の審査員選出をめぐって、師の朝倉文夫が自身を含む門下生全員の同展不出品を申し出たことで、安藤も審査員を辞するという大騒動に発展。その後「朝倉塾」を脱退し、周辺の仲間とともに立ち上げたのが「塊人社」である。

 朝倉のもとから離れた門下生たちが、安藤についていくという形で誕生した「塊人社」。会場には塊人社に属した複数の作家の作品が並べられているが、一見するだけではその違いがわからないくらい安藤の作風に似たものが多い。メンバーのなかには安藤を兄のように慕うものもおり、実際安藤が彫刻制作の指導もしていたことから、その作風がメンバー間で浸透したとも考えられる。

渋谷区立松濤美術館展示風景より

編集部

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