• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • REPORT
  • 「積層する時間:この世界を描くこと」(金沢21世紀美術館)開幕…

「積層する時間:この世界を描くこと」(金沢21世紀美術館)開幕レポート【5/10ページ】

メディウムとしての歴史

 現在、京都・二条城での個展が大きな話題となっているアンゼルム・キーファーの作品も見ることができる。キーファーはドイツの歴史やナチス、世界大戦、リヒャルト・ワーグナー、ギリシャ神話、聖書、カバラなどを題材に、下地に砂、藁、鉛などを混ぜた巨大な画面に描き出してきた。《フレーブニコフのために》(1984-1986)はロシア未来派の詩人・フレーブニコフを取り上げたもので、画中のテキストからはドイツの戦争への言及が読み取れる。

展示風景より、アンゼルム・キーファー《フレーブニコフのために》(1984-1986)、《重い水》(1987)

 もうひとりのドイツの巨匠、ゲルハルト・リヒターの作品にも注目だ。可視性と不可視性、写真と絵画、現実と虚構との境界を行き交いながら、「見ること」を探求し続けているリヒター。本展では、絵具と写真を積層させる「オイル・オン・フォト」シリーズのほか、既存のモノクロ写真のイメージを精密に模写してぼかす「フォト・ペインティング」シリーズをさら発展させたプリント作品を見ることができる。

展示風景より、ゲルハルト・リヒター「オイル・オン・フォト」シリーズ
展示風景より、ゲルハルト・リヒター《ベティ》(1991)

編集部

Exhibition Ranking

見附正康

2025.05.23 - 07.05
ARTRO
京都

木梨銀士「Flux」

2023.02.02 - 02.17
GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE
丸の内 - 銀座|東京

非常の常

2025.06.27 - 10.04
国立国際美術館
大阪

Dressing Up: Pushpamala N

2025.06.26 - 08.16
シャネル・ネクサス・ホール
丸の内 - 銀座|東京