第1章「きのこ雲の下で〜8月6日の記録〜」では、原爆が投下された8月6日に、攻撃を受けた広島の地、つまりきのこ雲の下で撮影された写真を中心に展示している。広島の中心部から撮影されたきのこ雲は、すぐ見上げる場所で迫ってきており、その巨大さを伝えている。

中国新聞社の記者であった松重美人は、爆心地から避難してきた人々の姿を、爆心地から約2.2キロメートルの地点で、葛藤の末撮影した。これらは、死の淵に追いやられている人々の極限的な状況を原爆投下直後に記録した、歴史に刻むべき写真となった。

さらに本展では、パネル展示により松重が撮影した写真に映った人々のその後を調査した記録も見ることができる。被写体一人ひとりに紛れもなく人生があり、その後も続いていったことを心に刻んでほしい。
