会場は全7章立ての構成。まず第1章では、先述した若冲や曾我蕭白、長沢芦雪といった「奇想の画家」として知られる画家たちを取り上げる。本展のタイトルにもあるように、21世紀に入るまでは「知られざる鉱脈」であったその作品を紹介することで、展覧会の主旨を示すものとなっている。


また、今回とくに注目されるのは、若冲と円山応挙が初めて合作したとされる新発見の屏風だ。それぞれが一隻ずつ手がけたとされる二曲一隻の屏風であり、同じ京都画壇のツートップとして活躍しつつも、これまで接点がなかったとされる若冲と応挙の交流を決定づける資料としても重要な作品となった。

ほかにも、現存するモノクロ写真からデジタル推定復元された伊藤若冲の《釈迦十六羅漢図屏風》(制作=TOPPAN株式会社)もここで展示されている。特殊な印刷技術によって再現された絵の具の盛り上がりなど、細やかな部分にも目を凝らして鑑賞してみてほしい。
