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「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」(大阪中之島美術館)開幕レポート。知られざる日本の美とその奥行きに触れる【2/5ページ】

 会場は全7章立ての構成。まず第1章では、先述した若冲や曾我蕭白長沢芦雪といった「奇想の画家」として知られる画家たちを取り上げる。本展のタイトルにもあるように、21世紀に入るまでは「知られざる鉱脈」であったその作品を紹介することで、展覧会の主旨を示すものとなっている。

展示風景より、伊藤若冲《乗興舟》(1767)
展示風景より、伝岩佐又兵衛《妖怪退治図屏風》(江戸時代17世紀)

 また、今回とくに注目されるのは、若冲と円山応挙が初めて合作したとされる新発見の屏風だ。それぞれが一隻ずつ手がけたとされる二曲一隻の屏風であり、同じ京都画壇のツートップとして活躍しつつも、これまで接点がなかったとされる若冲と応挙の交流を決定づける資料としても重要な作品となった。

展示風景より、左から伊藤若冲《竹鶏図屏風》(寛政2年以前)、円山応挙《梅鯉図屏風》(天明7年)

 ほかにも、現存するモノクロ写真からデジタル推定復元された伊藤若冲の《釈迦十六羅漢図屏風》(制作=TOPPAN株式会社)もここで展示されている。特殊な印刷技術によって再現された絵の具の盛り上がりなど、細やかな部分にも目を凝らして鑑賞してみてほしい。

展示風景より、伊藤若冲《釈迦十六羅漢図屏風》デジタル推定復元 制作=TOPPAN株式会社

編集部

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京都